INOCAは冠攣縮や微小血管の機能不全などの冠動脈機能異常によって引き起こされる。冠攣縮は、種々の虚血性心疾患に関与しているが、実臨床現場では、正確な診断がなされていない症例も多く存在する。特に若い循環器科医にとっては、冠動脈インターベンション治療技術の習得は必須の事項であるが、治療の前に、確実な診断技術習得も必要事項の一つである。確実な診断技術を習得することで、不要なインターベンションを削減できる可能性もある。本セッションでは、一般的な冠攣縮や冠微小血管攣縮の診断のみでなく、最近のINOCA診療の中での立ち位置や、ステント留置後の胸痛例の診断や、器質的狭窄を認めない急性冠症候群例(MINOCA)へのアプローチを含め、臨床現場で役立つ薬剤誘発負荷試験の実施を議論することで、インターベンションニストのとっての冠攣縮の位置づけを再考したい。更に、バランスのとれたインターベンションニスト育成に貢献できるセッションにしたい。