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第55回日本腎臓学会東部学術大会 第55回日本腎臓学会東部学術大会

大会長挨拶

第55回日本腎臓学会東部学術大会
大会長  田村 功一
横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 主任教授
横浜市立大学附属市民総合医療センター 病院長

副大会長  緒方 浩顕
昭和医科大学横浜市北部病院 医学教育学・内科腎臓 教授

2025年9月27日(土)・28日(日)の2日間にわたってパシフィコ横浜ノースにて、「新時代の腎臓病・高血圧研究と診療の高みをめざす」をテーマとして、第55回日本腎臓学会東部学術大会を開催させていただきます。

少子高齢化が進行中の我が国において求められている健康長寿のさらなる向上にとっての大きな課題は、非感染性疾患(NCDs: Non-communicable diseases)への対策向上ですが、これは腎臓学会の使命とも密接な関係にあると考えます。そして、2024年7月に改訂された日本腎臓学会による「CKD診療ガイド2024」では、慢性腎臓病(CKD)の国内患者数は約2000万人(成人の5人に1人)に達する状況であることも報告され、慢性腎臓病(CKD)対策が健康長寿のさらなる向上のためには必要不可欠な時代に突入しています。

日本腎臓学会に直接関係する疾患は、腎臓病、糖尿病・高血圧、脳心血管病であり、これら病態は互いに密接に連関し共通の病態基盤を有し、同一患者に併存する場合も多いことが特徴です。したがって、この複合病態は、一体的に"心腎代謝連関病"として捉えるべきであり、各病態に対する個別的対応とともに包括的対応による"心腎代謝連関病"の克服も重要であり、また、腎臓病への取り組みを起点とした"心腎代謝連関病"克服の重要性が増しています。腎臓の機能は、単独臓器によって調節されるとともに、多臓器間のネットワークによっても調節されるため、「生活習慣病〜保存期腎臓病〜透析・移植期腎臓病」の各ステージにおけるシームレスな「Total Kidney Care」 推進による"心腎代謝連関病"克服のための全人的・包括的医療推進が鍵となります。

第55回日本腎臓学会東部学術大会では、健康長寿向上にとっての課題である"心腎代謝連関病"克服へ向けての腎臓を起点とした新規治療・診断法開発のための基礎研究・トランスレーショナル研究や疫学研究、臨床介入研究、日本腎臓学会関連組織の日本腎臓病協会、医師会(かかりつけ医・実地医科)、行政とも連携し、腎臓病療養指導士制度をテコとした「生活習慣病〜保存期腎臓病〜透析・移植期腎臓病」にわたるシームレスな腎臓病診療連携体制構築へ向けた取り組みに関する発表の場としたいと考えます。また、6年ぶりに改訂される「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を契機に、日本高血圧学会との合同企画を実施いたします。さらに、診療報酬への収載や腎臓リハビリテーション指導士制度の確立など、臨床現場においてその重要性が高まっている包括的腎臓リハビリテーションについて学ぶ場として、日本腎臓リハビリテーション学会との合同企画も予定しております。また、若手向けの症例発表セッションや教育企画に力を入れるとともに、医学生や初期研修医を含めての若手による発表演題を対象としたAwardセッションも企画して、日本腎臓学会・腎臓病学のさらなる発展を通じて国民の健康長寿向上に将来貢献してくれると期待される世代も鼓舞したいと思います。

第55回日本腎臓学会東部学術大会では、同じ横浜市内に大学キャンパスを有し、2028年に同じく創立100周年を迎える横浜市立大学と昭和医科大学の附属病院の1つである昭和医科大学横浜市北部病院が協力して開催する記念すべき学会でもあります。特に次世代を担う若手には、奮って演題を応募していただければ幸いです。夜景のイルミネーションもまばゆい横浜みなとみらい地区のパシフィコ横浜ノースで皆様にお会いできるのを楽しみにしております。多くの会員の皆様の御参加と演題登録をお待ちしています。皆様のご指導をいただきたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

2025年4月吉日