ご挨拶
この度、第12回透析運動療法研究会を2022年1月30日(日)、東京の両国にあります「国際ファッションセンタービル KFC Hall」で開催させていただきます。
令和時代になり、透析患者の高齢化は更に進んでおり、2019年日本透析医学会統計調査で透析患者の平均年齢は69.09歳と年々高齢化しています。又、最も割合が高い年齢層は男女とも70~74歳でした。65歳未満の患者数は2012年から減少傾向であり、70歳未満の患者数も2017年から減少しています。つまり、わが国の透析患者の増加は70歳以上の増加であることとなります。
医師を含め全ての医療従事者が、患者の透析治療、合併症予防を考えるだけでなく、1人でも多くの患者の健康寿命を伸ばすにはどうしたらよいかを考える時代となっています。
透析患者に対する運動療法の重要性は高まり、諸先輩方のご努力により透析患者の運動療法の重要性は広く認知されました。多くの施設で運動療法がおこなわれ始めておりますが、全国で一番多く透析患者の治療に携わっている(リハビリ室を持たない)診療所やクリニックレベルでの運動療法の導入は半数以上が出来ていないのが現状ではないかと思われます。医師のみでなく全ての透析患者に関わる医療従事者が、それぞれの立場で運動に関わらなければ、運動療法が広がっていきません。また、高齢化に伴い、十分な食事が出来ていない痩せやエネルギー不足の患者が増加しています。栄養不良状態では、運動療法を開始しても筋蛋白異化に陥ってしまいます。栄養状態が良好でなければ運動療法の効果は出ません。透析患者の元気な身体をつくり健康寿命を伸ばすには、運動と栄養の融合が不可欠である為、第12回のテーマを、【多職種協働による楽しい運動~運動と栄養の融合~】といたしました。本研究会は、透析領域の先生をはじめ、メディカルスタッフである看護師、臨床工学技士、栄養士、理学療法士、管理栄養士の参加が多い研究会です。多職種の連携が運動療法の導入と普及に不可欠です。たくさんのご参加と活発なご討議を期待しています。
今回のポスターは、歴史有る両国の手仕事・伝統(江戸切子)(かんざし)の和柄をモチーフに作成しました。両国は街を歩いていると力士とすれ違うことが日常です。会場近くには多くの相撲部屋がありますので早朝の散歩で朝稽古に出くわすこともあるかもしれません。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
2021年2月吉日
第12回透析運動療法研究会
大会長 大山 恵子
医療法人社団つばさ つばさクリニック院長