MENU

ご挨拶

第15回透析運動療法研究会の大会長を務めさせていただくことになりました小倉第一病院院長の中村秀敏と申します。今大会のテーマは「総力戦で挑む!透析運動療法の課題」と掲げさせていただきました。このテーマのもと、透析運動療法の重要性と、その普及に向けた具体的な取り組みについて皆様と共有し、意見交換を行いたいと思います。

透析患者の運動能力の低下は、透析業界が直面している最大の課題の一つとなりつつあります。血液透析患者の送迎サービスが透析医療機関の経営を圧迫している現状も踏まえ、運動療法の導入が必要であることは明らかです。2022年の診療報酬改定において透析時運動指導等加算が新設され、透析時以外でも運動療法が透析患者の健康維持に不可欠であることは広く知られているにもかかわらず、それらの普及はまだ十分ではありません。

これを改善するためには、透析患者に運動をしてもらうことを理学療法士や作業療法士だけに任せっきりにするのではなく、透析業界に関わる全ての職種が参画し協力することが必要です。医師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士、薬剤師、介護福祉士さらには事務スタッフまで、各職種が個別に動いても効果は限られています。連携や協働こそが成果を最大化する鍵となります。

我々が直面する課題は多岐にわたりますが、それを克服するためには総力戦が不可欠です。透析運動療法の普及と効果的な運用に向けて、皆様の知恵と力を結集し、一丸となって取り組んでいく所存です。

今回の大会が、透析運動療法の未来を切り拓く一歩となることを心より願っております。皆様のご参加とご協力をお願い申し上げます。

第15回透析運動療法研究会
大会長 中村秀敏