ご挨拶
第14回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会を、2024年3月16日(土)と17日(日)に、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにて開催致します。この学術集会は、腎臓リハビリテーションに関わる医師、理学療法士、看護師、保健師、管理栄養士、行政に至るまで多様な職種の会員が一堂に介し、研究の成果や課題を発表し検討できる大変貴重な機会となっております。
第14回本学術集会のテーマは、“患者中心の腎臓リハビリテーション〜治し、癒し、祈る〜”とさせて頂きます。近年の医療現場において、“患者中心”という言葉、考えが浸透しています。特に患者の高齢化が進む腎臓病診療、腎不全医療においては、人生会議(ACP)、共同意思決定(SDM)、保存的腎臓病治療(CKM)などの必要性と有用性が認識され、ガイドラインも公表されています。しかし一方では、それらを適確に日常臨床において実践することは容易ではなく、さらなる医療体制や医療技術の確立、社会環境などの整備が今後も必要であることは言うまでもありません。私達医療者は、疾患に対して医学的に最善の治療を行うと同時に、患者個々の人生観や意思を尊重して寄り添うことを求められます。そのためには十分な相互理解、患者を中心とする多職種からなる医療チームでの対話が重要です。 “治し、癒し、祈る”はこの想いを込めて添えました。
これまでの本学会の活動は、腎臓病患者の医療の向上に大きく貢献してきました。過去10年間あまりで、糖尿病性腎症による保存期慢性腎不全への高度腎機能障害指導管理加算が診療報酬に加わり、腎臓リハビリテーションガイドラインの発刊、腎臓リハビリテーション指導士制度の確立などが実現しました。この学術集会では今までの成果に基づいて、腎臓病患者のさらなるQOL向上、腎予後・生命予後の改善のための取り組みや研究成果を共有できればと考えております。最近のトピックとしては、透析時運動指導等加算が2022年度新規設定されたことが挙げられます。この国内の実施状況の調査や課題などについても議論できると考えております。
一般演題、シンポジウム、教育講演、特別講演などに加え、特別企画として新潟を代表する芸術家で文化庁長官を務められた宮田亮平氏をお招きしております。芸術・文化と“癒やし”・“祈り”について皆様とともに考える機会にしたいと思います。
会場の朱鷺メッセは雄大な信濃川の河口付近に浮かぶ中島、佐渡汽船ターミナルに隣接しており、新潟空港からのアクセスも良好です。JR新潟駅の改装工事は来春には完成し新店舗が揃います。雪解けの爽やかな春の空気と味覚とともに、学術集会を楽しんで頂けますよう、準備して参りたいと考えております。多数の皆様の御参加を楽しみにしております。
大会長 新潟大学 腎研究センター 腎・膠原病内科学 成田一衛
事務局長 新潟大学 腎研究センター 病態栄養学 細島康宏